ukboyK’s blog

〜イギリス大学院留学中〜 学びや気づきを発信していきます!

#3 ナイキの児童労働

今回は多国籍企業であり、誰もが知るナイキの児童労働問題について。

 

キーワード:

児童労働(child labor), 搾取(exploitation)、多国籍企業(MNEs)、最低賃金(minimum wage)

 

1997年に発覚したナイキの児童労働問題。

過去数十年にわたり靴やスポーツメーカーとしてトップランナーであったナイキ。

一方で、途上国での"搾取"が背景にあったことが明らかとなった本件。

1980年頃までは韓国と台湾で生産を行なってきたものの、両国の経済水準があがるにつれ、より安い労働力を求め、中国とインドネシアに生産拠点を移した。

当時インドネシアの1日あたりの賃金は1ドルほど(アメリカでは時給8ドル)。

 

特に製造業において、利益率向上の観点から生産拠点を途上国に設けるのは一般的だ。

ただ、この問題は児童労働があったこと、劣悪な労働環境と低賃金、長時間労働など様々な問題が存在した。それが浮き彫りになった。

いわゆる搾取。

 

同じ労働をしても、先進国と途上国で貰える給料は異なる。これは果たしてモラル的に正しいのだろうか?

一方、ビジネスの観点から、コストの安い地域で生産するのは合理的。

ホストカントリー(受入側の国)からすれば、多国籍企業が自国に投資(FDI)してくれれば、雇用を産み、生産拠点の経済は活性化されるというメリットもある。それに、ホストカントリーの最低賃金さえ下回っていなければ法的には問題ないのかもしれないが…

最低限の扱い(賃金・労働環境・労働時間)があればそこまで非難されることはないのかもしれない。

 

ホストカントリーの経済水準が高くなれば、多国籍企業はより安い国へ移せば良いという問題なのか?

今後更なるテクノロジーの普及により、人手が不要になれば雇用をやめるのか?

今衣料業界はベトナムバングラデシュでの生産が多いと思うが、こうやって延々と生産拠点を安いところに移していくのか。

 

何が正しいか、可能な限り経費を抑え利益を上げたいというビジネスの根本的な考えとの矛盾(contradiction)があり、よく考えさせられた。