ukboyK’s blog

〜イギリス大学院留学中〜 学びや気づきを発信していきます!

#10 Atriaのロシア進出


今回は企業の海外事業展開に関する内容。

フィンランド企業のAtria(食料品製造販売業者)が新たな市場を求めロシアに進出した際の話。


Atriaはフィンランドで事業を始め、1997年にスウェーデンでの買収を皮切りに、2005年までにリトアニアエストニアで事業を展開。

そして次なる成長を求め、ロシアに目を向けた。


海外展開の戦略では、where, whyをまず検討した。


ロシアは肉やソーセージといった加工肉の消費量が増えているためマーケットとしてポテンシャルがある(97%がローカルプロダクト)。

一方、政治的なcorruption (腐敗)やビジネスの不透明が高いという難点もある。また、インフレ率は高いが、エネルギーコストは比較的安価。人員面では質の高いマネージャーは少ない、といった状況がリサーチの結果見えてきた。


また、国が違うため、消費者の味の好み(taste preferences of consumers)や伝統や習慣、文化の違いの考慮は必要だ。


ローカルが強いため、フレッシュさでは強敵だし、一般的にインターナショナルプロダクトより安価となる(because of logistics cost)。


ロシアに進出する場合の考えられる手段は以下だ。

①輸出(exportation):最もシンプルかつ低リスクなメソッドfor foreign entry。


②ジョイントベンチャー(A Joint Venture): ローカル企業と組むことで財務的なメリットも見込め、地域へのノウハウもある。一方、異なるマネジメントスタイルや意思決定で苦労する不安もある。


③完全子会社化(a new wholly owned subsidiary):最もコストがかかるものの、コントロールしやすい。一方、買収先のマネージャーやスタッフが買収を良く思わず、彼らのワークスタイルに適合しないリスクもある。

 

検討の結果、適正な規模のローカル企業を完全買収することになった。マーケットシェアの拡大やブランドの確立、キャッシュフロー等が期待できる。2005年にstrategic partnerships をプレスリリース。


買収後は新しい物流センターをロシア内に新設を進めるなど、買収の利点を活かしてビジネス拡大の準備を進めた。また、従業員同士の統合をスムーズに進めるよう、working pair制度を導入し、チームミーティングは毎週行うなど、コミュニケーションの活性化を図った。


一方、税務や原材料(row materials)コストの増加、非効率な生産価格設定によりコスト面での問題も発生した。そこでリストラを図り、財務面でのパフォーマンスを向上させた。

2008年には、ロシア事業でグループ5%の売上を占め、貢献してきた。

  

これは一企業の事例だが、海外事業進出のエッセンスが含まれている。