#7 Uberの南アフリカ進出
2010年、シリコンバレー初のアプリ、Uberはアメリカでリリースされ、翌年にはパリを皮切りにヨーロッパにも拡大。2013年にアジアや南アフリカに進出した。2016年時点で66カ国554都市で使用可能となる。そして当時の時価総額は$62millon(現時点での為替で約90億円)。
世界各国でサービスを展開している。国ごとに求められるサービスが異なるため、展開する全ての都市でローカルのマネジャーを雇用し、現地ニーズに合わせた対応をしている。
しかし、車を持っているのは中流階級(middle class)のみ。基本お金にそこまで困ってない人は時間を売って、働くスタイルを好まない。
そこで、owner-partner modelを導入。
車を持っている人間から、Uberの運転手が車を借りて働くスタイルだ。
車を貸した側には、50%が支払われる仕組み。
(Uber側のプラットフォーム提供フィーとしては16%事前に引かれる)
ただ、Uber運転手は不満はあった。
有給(paid leave)やマタニティ休暇(maternity leave)はないし、賃金も高いとは言えない。
そこで、地元のWes銀行はUberの運転手に、Uber上での評価(star rating)や運転回数に応じて信用度を測り、3年のリース後に車を買えるような仕組みを提供。
そうなると、ドライバーは50%のフィーを車の提供者に払わないため給与は2倍だ。
もちろん金利もあるので銀行も金貸しビジネスは成立する。お互いwin-winてわけ。
その後ドライバーの数は増えていき、過剰供給となり、ドライバーは以前のように稼げなくなる。
そこで現地チームは、需要を増やすための策として、20%の運賃削減を実施した。
それで効果が見られなければ、次の戦略を考えるしかない…。
#6 中国企業はいかに国際的プレゼンスを上げたのか
久々の更新です。
本日は中国企業の海外直接投資についてです。
中国といえば、世界の工場としての地位を確立させ、世界中の企業が、安くて豊富な労働力を求めて進出しているため、対内直接投資(inward FDI)の印象が強いかと。
しかし、中国は対外直接投資(outward FDI)でも存在感を発揮しています。
古いデータですが、中国は2004年末までに総額370億ドル(5.4兆円※1ドル=148円)を投資し、世界第5位の対外直接投資国に。
国際化(internationalization) の動機づけとなるのは、OLIの考え方。
Ownership, Location, and Internalization
つまり、所有、立地、内部化。
ちなみに後発の企業が世界市場で競争できるような資産を取得しようとする場合、政府による資金援助が必要となる。
また多国籍企業との積極的なパートナーシップにより、国際的な生産や品質基準、マネジメント手法など様々なノウハウを吸収する。
国際化の手段は主に3つ。
1. OEM(the original equipment manufacture)またはJoint Venture を通じたパートナーシップのルート
例)ファーウェイは、NECやシーメンスSiemensと3Gの携帯電話開発や製造を実施。
Ningbo birdは韓国のLG社や台湾のベンキュー社(BenQ)と技術提携を結んで獲得した技術で主要な輸出業社に成長した。
2. 買収のルート(the acquisition route)
例)Hollyグループは、フィリップス半導体を一部事業を買収し、ライセンスも獲得。ホリーがライセンス製品の開発と販売を継続出来るようにした。
LenovoはIBMのPC領域を買収。IP 知的財産権獲得。
3. 有機的拡大のルート(the organic expansion route)
対象とする市場内に子会社や施設をグリーンフィールドで設立。
※グリーンフィールド投資: 今まで全く何の関連施設も建設されていない、まっさらな状態から生産工場や通信施設などののビジネス投資を行うこと。
例) ハイアールグループは、1991年に日本アメリカ欧州といった先進国は輸出を開示。当時のCEOによると、「まず困難な先進国市場に参入し、次に容易な途上国市場に進出する」。
#5 スターバックスUK のTax avoidance
今回はイギリスで起きたスターバックスにおける税逃れ(tax avoidance)の騒動について。
節税(Tax avoidance) は合法(ligall)であることから、多くの多国籍企業(MNEs)で戦略的に導入されている。一方で、今回の事例のようにホストカントリーから反感(protest)を買うこともある。
CSRにも積極的に取り組んでおり、先進的なイメージのあるスターバックス。
約10年前、イギリス国内に800店舗もあるスターバックスに対して、収めている法人税(UK's corporate tax rate:24%) が少なすぎるとメディアが報じて起きた騒動。
イギリスでのコーヒーを売るために、仕入れ先農家から輸入するための貿易会社をスイスに、そしてオランダに豆をローストするための工場を持っていた。
そこで、主な利益を圧縮するための節税戦略は3つ。(通常法人税は利益に対して課税)
①ロイヤリティの支払い(Royelty payment )
同グループ会社内(Affiliate) でスタバのブランド名使用といった知的財産権など(intellectual property)にロイヤリティを売上に対して6%設けた。これは課税所得(taxable income)から控除(deductible)できるため、プロダクトの最終地点であるイギリスでの事業会社の利益を圧縮。
②移転価格(Transfer pricing)
例えば90万で仕入れたコーヒーをスイス(国際取引の場合、税率5%)の貿易会社からオランダの工場へ120万で輸出する。
そしてオランダ(税率25%)でローストしたコーヒーを150万でイギリスに輸出する。イギリスでの利益を減らし、より税金の低いスイスでの利益を大きくすれば、支払う税金は会社全体で減らすことができる。
③企業間債務(Inter-company debt)
イギリス事業の資金を企業間借入金で調達。
そして高い金利を課されていた。スターバックスUKが他のスターバックス関連会社は支払った利息は損金参入でき、イギリスでの課税所得を減らすことができた。
以上3つの方法で税金を減らしていた。
結果的にメディアの報道により炎上し、世間からのプレッシャーに負けた同社は必要以上に多い税金を支払い世間からの圧を抑えた。
法に則っているので問題はないが、政府は良くても、国民はどう思うか。
商品やサービスの提供に加え、雇用を生み出していたり、英国経済に貢献している。
一方、税金によって運営されるNHS(イギリスの保険システム)や公共交通機関などのサービスの恩恵を受けているのは間違いないだろう。
そう考えると、多国籍企業も一市民として果たすべき義務を果たせという言い分は理解できる。
国際的にビジネスを展開する際、合法でも倫理的にどうかということも考慮しないといけない典型的な事例だ。最も、戦略としてはスマートな策だとは思うが。
#4 番外編 〜スペイン小旅行〜
今回は番外編。旅の記録、スペインです。
週末に気分転換も兼ねてスペインへ行ってきました!(ロンドンが拠点だと航空券は片道1万弱、2時間程)
情熱の国スペイン🇪🇸
旅のテーマは、「ガウディの建築物(architecture)」と「グルメ(food)」!
ということで、バルセロナに2泊3日。
(ONE PIECEでいうドレスローザのモデルとなった街!)
スペインといえば、パエリア!サグラダファミリア!フラメンコ!等魅力がいっぱい。
ざっくり流れを記録。
ちなみにバルセロナはカタラーニャという言葉がオフィシャル。首都のマドリードはスペイン語。実は異なる言語話し、この二つの街は仲が悪いとのこと…
過去にはバルセロナ独立に向けたムーブメントとかも起きています。
▫️1日目
バルセロナ空港に17時頃到着。
まずはバスでバルセロナ中心地へ。
早速、ディナーとしてイカ墨パエリアを食べに行きました。個人的にこの旅で最も美味だった。
▫️2日目
朝からバスに乗り、グエルパークへ!
入場料は10€(1€ 約160円)。
高台に位置し、非常に良いスポット。
昼はカフェで適当に食べ、午後からサグラダファミリアへ。こちらは26€。
外見が有名だが、内装が何より素敵。
ステンドグラスは綺麗で、過去一綺麗な建築物だと思った。
前日ドミトリーに泊まったものの、被った他の旅行客に睡眠邪魔され不愉快だったのでホテルに急遽チェンジ。
ディナーはホテル近くのレストランでシーフードパエリアをいただいた。
物価はロンドンに比べるとリーズナブル。
スーパーでコーラの値段をいつも見るのだが、1.7€でした。日本円で250円くらいか。
ちなみにイギリスでは300円以上します。
日本だとスーパーであれば100円あれば帰るのに…
ビッグマック指数ならずコーラ指数(笑)
購買力平価説(PPP)ってやつですね。
円安もあり、ヨーロッパにいると日本が安い国に思える…
▫️3日目
スペインのソールフード?
チュロス&ホットチョコレートをカフェで食べたけど、美味しかった。
カサミラ見て、最後の目的地は市場。
活気のある市場で食べ歩き。ここは非常に良かった。
#3 ナイキの児童労働
今回は多国籍企業であり、誰もが知るナイキの児童労働問題について。
キーワード:
児童労働(child labor), 搾取(exploitation)、多国籍企業(MNEs)、最低賃金(minimum wage)
1997年に発覚したナイキの児童労働問題。
過去数十年にわたり靴やスポーツメーカーとしてトップランナーであったナイキ。
一方で、途上国での"搾取"が背景にあったことが明らかとなった本件。
1980年頃までは韓国と台湾で生産を行なってきたものの、両国の経済水準があがるにつれ、より安い労働力を求め、中国とインドネシアに生産拠点を移した。
当時インドネシアの1日あたりの賃金は1ドルほど(アメリカでは時給8ドル)。
特に製造業において、利益率向上の観点から生産拠点を途上国に設けるのは一般的だ。
ただ、この問題は児童労働があったこと、劣悪な労働環境と低賃金、長時間労働など様々な問題が存在した。それが浮き彫りになった。
いわゆる搾取。
同じ労働をしても、先進国と途上国で貰える給料は異なる。これは果たしてモラル的に正しいのだろうか?
一方、ビジネスの観点から、コストの安い地域で生産するのは合理的。
ホストカントリー(受入側の国)からすれば、多国籍企業が自国に投資(FDI)してくれれば、雇用を産み、生産拠点の経済は活性化されるというメリットもある。それに、ホストカントリーの最低賃金さえ下回っていなければ法的には問題ないのかもしれないが…
最低限の扱い(賃金・労働環境・労働時間)があればそこまで非難されることはないのかもしれない。
ホストカントリーの経済水準が高くなれば、多国籍企業はより安い国へ移せば良いという問題なのか?
今後更なるテクノロジーの普及により、人手が不要になれば雇用をやめるのか?
今衣料業界はベトナムやバングラデシュでの生産が多いと思うが、こうやって延々と生産拠点を安いところに移していくのか。
何が正しいか、可能な限り経費を抑え利益を上げたいというビジネスの根本的な考えとの矛盾(contradiction)があり、よく考えさせられた。
#2 ソーシャルムーブメント
Civil society and social movement
どうもukboy です。
昨日はサーキュラーエコノミーのプレゼンがあり更新遅れましたが、今回は国際開発学に関するテーマです。今回
ちょっと長いです。
日本ではデモ活動(protests)はあまり活発ではないですが、海外ではかなり一般的。世界いたるところでデモが起こる。
Black Lives Matter #BLM をニュースで見て覚えている方も多いはず。
2014年頃からアメリカで白人警官による黒人射殺が立て続けに起こり、大きなムーブメントへと発展。
警官の暴力(police hrasmment)に対する社会の目は非常に厳しいものに。
1960年、SNSのない時代、アメリカのノースカロライナ州グリーンズボロで、キング牧師の影響を受けた黒人学生4人(strong-tie)がバーで行った"座り込み"抗議活動は、近隣州まで広がった。当時はまだ人種差別のあった時代。1863年リンカーン大統領の奴隷解放宣言で法的に奴隷は解放されたが、まだ差別は当時強く残っていた時代…
ソーシャルムーブメントにSNSはどのような意味をもたらすか。
リツイートは簡単だが、痛みは伴わない。
"やってる感"は出せてもリスクはないのだ。
情報共有のスピード感や意見を述べると言う意味では有意義。社会運動のきっかけ、世界をかえるきっかけという意味でノーベル平和賞に推薦せよと意見が出たくらいだ。
だが、所詮は表面的なつながり(weak-tie)。
友達1,000人は実際考えにくく、知人であるだけかもしれない。
世界でも色々な事例がある。
【事例その1】
メキシコの43人の学生が行方不明になった事件。
未だ真相は不明で、政府隠蔽(ギャング組織等との賄賂など?)(social-capital)か?誘拐か(kidnapp)?
今でも遺族の家族による(strong-tie)追求がもちろんあるため、風化はされていない。
【事例その2】
2010年に起きたアラブの春(Arab spring)。
ーアラブ者国の民主化革命
(Democratic revolutions in Arab countries)
チェニジアのジャスミン革命から始まった。
きっかけはとある青年の自殺がSNSで広まったことで反政府デモが始まる。独裁的な大統領は亡命するハメになり、民主化を勝ち取った。
この運動はエジプト、リビア、イエメン、シリアなどに拡大。30年近く続いた大統領の政権は次々に崩壊。※シリアは内線に発展。
【事例その3】
日本で言うなら、すこし形は違うが労働文化の革命だろうか。世界的にも見ても超労働文化が根付いた日本。
2015年、某広告会社の新入社員自殺は大きく報道され日本に衝撃を与えた。日本は国民柄デモというわけではないが、社会からのプレッシャーで国は動いた。新たな労働法を作り、36協定違反企業は罰金。あの事件を機にあれから日本企業は変わりつつある。
#1 サーキュラーエコノミー(循環型経済)
英国大学院に留学中のukboy です。
備忘も兼ねて、学んだことをブログで発信していきます!原作毎日更新していくつもりです!
初回はサーキュラーエコノミー(循環型経済)について。
従来のリニアエコノミー(一方通行な経済)、いわゆる大量消費大量生産の時代からサステナブルな経済への移行の途中。
欧州が先進国的な位置付けで日本も必死に循環型社会へ向かおうと各企業が注力している。
サプライチェーンの慣行にも影響する。
キーワードとして、Waste、Reuse, Recycle, Repair など…
資源の使用を抑えて、使えるものは再利用して、限りある資源を有効に。
"バタフライダイアグラム"という考え方では、バイオ的な循環とメカニックな資源の循環のフローを絵で表してる。
SCORモデル(Supply Chain Operation Reference )というフレームワークも存在。
供給者の供給者から得意先の得意先までにわたる基本的なサプライチェーンのプロセス。
供給→生産→出荷という連結した実行プロセスを表したもの。
ケーススタディとしては、某自動車メーカーは解体しやすいようにマークを車につけて製造している。作る前から、ユーザーが使い終えるときのこと、解体することまで考えて、解体しやすく使っているって、シンプルにすごい。
こんなかんじで、サラッとですが、学びをまとめていきます!